【牛肉の融点】人肌で溶けるお肉って何?
皆さんは口の中で溶けるような牛肉を食べたことはありますか?
上質なお肉の宣伝文句で、
「人肌で溶けるお肉です」
なんて言葉を聞いたことがあるかもしれません。
人肌で溶けると何が良いのか、
また普通の牛肉は人肌で溶けないものなのか。
牛肉(脂肪)が溶けるのに大きく関わる融点を解説させていただきます。
この記事の目次
牛肉(脂肪)の融点とは
お肉の脂肪が溶け始める温度を融点といいます。
お肉の表面の脂はもちろんですが、上質なお肉になるとサシ(霜降り)が入っていてそのサシが溶けることで口に入れたときに溶ける感覚を味わえます。
牛肉以外の豚肉・鶏肉・馬肉・羊肉などにも融点があり、それぞれ温度は異なります。
融点低い 鶏肉 < 馬肉 < 豚肉 < 牛肉 < 羊肉 融点高い
ただし牛肉の中でも一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)を多く含むものは融点が低くなります。
ブランド牛の神戸牛(神戸ビーフ)や松阪牛、鳥取和牛オレイン55などはオレイン酸の含有量が多く融点が低く、常温で置いておくとすぐに脂が溶けだすのが特徴です。
融点が高い方が良い?低い方が良い?
融点は高い方が良いのか、低い方が良いのか。
黒毛和牛の同じA5ランクと呼ばれる最高級のお肉を加工しているときに、脂の柔らかいお肉と脂の硬いお肉に出会います。
この脂の硬さが融点と大きく関係していて、
脂が硬い = 融点が高い
脂が柔らかい = 融点が低い
このようになります。
脂の硬い牛肉はパサつきがあり、すき焼き用や焼肉用に加工したときにサシ(霜降り)の部分が割れてしまい見た目が良くないです。
一方で脂の柔らかい牛肉は粘りと艶があり、同じように加工したとき割れが少なく非常にキレイな見た目になります。口当たりも良く溶ける感覚があるのは脂が柔らかい方です。
味とは関係はないですが、融点が低い方が見た目が良く口当たりも良いということです。
牛肉が人肌で溶けるとは?
牛肉を冷蔵庫(0℃~1℃)から常温に出してしばらく放置していると、徐々にじわっと柔らかくなっていきます。
融点の低い牛肉は、冷蔵庫から出してすぐ加工していると体温がお肉に伝わりすぐに溶けだします。
「お肉が人肌で溶ける」
とはまさに加工している人の言葉で、食べている人の言葉ではないことがわかります。
融点の低い牛肉を加工するときは正直難しいため、素早い作業と的確な技術を要します。細心の注意が必要です。
溶けるお肉を比較
黒毛和牛のA5ランクのバラ(トモバラ)を用意しました。
見た目の色等若干違いますがA、Bどちらも上質なお肉です。
5月で室温は18℃です。
15分経過
どちらも若干脂が溶け始め艶が出ています。
30分経過
下のBの方が艶が出て溶ける速度が速く感じます。
45分経過
下のBの方がサシ(霜降り)が溶けているのがわかります。
よってBの方が融点が低いことがわかります。
ただしあくまでも測定したものでもなく、感覚的なものです。
数値化してそれぞれ融点を出すのはほぼ難しいです。あくまでも感覚のことですのでご理解ください。
同じ部位で同じランクのお肉でもその牛の個性や特徴があって、それぞれ一頭一頭異なります。
味との関係性とはまた違いますが、同じ部位であれば融点が低い方が口に入れたときに溶け、胃もたれもしにくいと言われています。
牛肉の融点の計測方法
融点の計測方法
牛脂(肩など)を約10gほど取り、100℃の乾燥状態にして細かく潰す。
その後、ろ過によって抽出する。
抽出した液を毛細管に吸い込ませ冷凍し固める。
測定器を使い1分間に2.0度ずつ温度を上昇させ溶ける温度を測定する。
このようにして融点を測定します。
ただし実際に行っているところは少ないです。
融点で牛肉を選ぶのは難しいですので悪しからず。
まとめ
以上、牛肉(脂肪)の融点についてお伝えしました。
人肌で溶けるとは加工をしている人の意見であり、消費者が感じることではないです。
オレイン酸を多く含む牛肉は、口に入れたときに溶ける感覚を味わえます。
上質でかつ融点が低い牛肉に出会えたら一度お試しください。
胃もたれして食べられないというイメージが激変すること間違いなし。
神戸牛や松阪牛などはそのすごさを体感できるかもしれません。
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【お肉なび】ではお肉の知識や情報を日々発信していきます。
勉強になりました ありがとうございましたm(_ _)m
マツモトさん
コメントありがとうございます。
お役に立てて幸いです。
今後もお肉について追及していきますので、その他のコンテンツもご興味ありましたら
ご覧頂けると嬉しいです。
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