【牛ホルモン】の種類と特徴を徹底解析!部位別おすすめ20選!
最近では身近になってきたホルモン。
ホルモンの好みやこだわりを持つ方も増えてきています。
ただホルモンと一言で言っても牛のホルモンの部位だけで20種類以上あることをご存知ですか?
呼び名が違っているけど実は同じもの何てものも結構あります。
どこか男性が好みそうだけど女性にもかなり人気が高いことを知らない方も多いのではないでしょうか。
- 見た目に抵抗がありまだ手を付けていない方
- 買いに行くたびに自分の好みのものがどれだったか忘れてしまう方
- ホルモンと言えばこれと一種類だけに決めている方
- 何となくいろいろ名前は知っているけど牛のどこかは今さら聞けない方
ご安心ください。
これさえ知っていれば間違いなくホルモン通です。ホルモンの魅力を徹底解説いたします。
この記事の目次
そもそもホルモンって何?
ホルモンは、医学用語で体内の組織や器官の活動を調整する生理的物質の総称です。
食肉業界では、生理的物質を分泌する鳥獣(牛、豚、鶏など)の内臓等をホルモンと呼んでいます。
ホルモンの語源は医学用語のドイツ語でHormon(ホルモン)や英語のHormoneから名前が付けられた説があります。
他にも関西弁で捨てるものを意味する『放るもん』から呼ばれている説があります。
ただ明治維新のころの西洋医学(主にドイツ)の影響を受けて、栄養豊富で活力が付くとして名付けられた説が主流であるとされています。
関西の人が音で聞いたままを関西弁で呼んだことが広がったという感じです。
モツは臓物(ぞうもつ)を略した呼び方です。
牛ホルモンと牛モツは同じ?
住んでいる地域によって呼び方は違うかも知れませんが、ホルモンとモツは基本的に同じ意味です。
一概には言えませんが関西ではホルモン、関東や九州ではモツと呼ぶところが多いです。
関西で精肉の販売といっしょにホルモンの販売も行っていますが、お客様によって呼び方が違っています。
「ホルモン置いてますか?」とか
「牛モツありますか?」などのお問い合わせやお声がけをいただきます。
同じ質問なので意味さえ分かれば言い慣れた方で呼べば良いかと思います。
ホルモンの種類&特徴をご紹介!ホルモンの部位おすすめ20選!
ホルモン(内臓)は大きく分けて二つに分かれます。
タンやハラミや頬肉などを赤物、小腸や大腸や胃袋などを白物。
部位によって呼び方が複数あるものもあるのでそれぞれのホルモンについて特徴といっしょにご紹介します。
ハツ(心臓、ハート)
心臓。筋繊維が細かいためコリコリした歯触りがあります。癖の少ない部位なのであっさりしていて見た目以上に食べやすいです。たんぱく質とビタミンB1、B2が豊富に含まれています。
主に焼いて食べることが多いです。新鮮なものだと刺身で食べることも出来ますし、脂の付いたところをアブシンとして希少部位で提供するお店もあります。
比較的リーズナブルですが人気・知名度が少しずつ上がってきており価格も徐々に上がっています。
焼肉のタレでも合いますが、山椒と合わせると抜群です。
【牛ホルモン ハツ】魅力と食べ方を伝授!牛の心臓・ハート
レバー(肝臓、キモ)
肝臓。たんぱく質、ビタミンA・B2、鉄分が多い部位です。多少臭いに癖があり好き嫌いが分かれます。
牛乳や香味野菜で臭みをやわらげると食べやすくなります。
一頭の牛の内臓に対して肝臓の量は多いため比較的安価で販売されています。焼いて食べることのが主流。
生食用で好む方は多かったですがO157などの腸管出血性大腸菌などの食中毒が多かったため、
平成24年7月から生食用として販売・提供することが禁止されました。
マメ(腎臓)
腎臓。脂肪が少なく、鉄分・ビタミンB2が多く含まれています。
見た目はブドウの房状をしていて、多少癖の強い部位で販売・提供するお店は非常に少ないです。
バター焼き、もつ焼き、みそ煮などで食べることが多いです。
ミノ(第一胃)
4つの胃の中の1番目の部位です。胃の中では一番大きく硬いです。
厚みのある部分は上ミノと呼ばれ、よく販売・提供されています。
薄い部分は固いため、湯引きして細かい切れ目を入れて提供しているところが多いです。
上ミノは国産のものよりも輸入のものの方が厚みがあって柔らかいため好まれています。焼肉店でもオーストラリア産のものなどが多いです。
焼いて食べることが多いですが、お鍋に入れても臭みが取れて美味しいです。
身と身の間に脂を残したものをミノサンドと呼んで提供するお店もあります。ミノの食感と脂を同時に味わいたい方におすすめ。
ミノは多少味にクセはありますが歯ごたえが良く、やみつきになるのも納得できます。
焼肉で人気部位【ミノ】の秘密とは?美味しい焼き方を伝授!
ハチノス(第二胃)
4つの胃の2番目に位置する部位です。
胃の内壁の形が名の通り蜂の巣のようにヒダになっていることからハチノスと呼ばれています。
主に煮込み料理やもつ焼きにして食べることが多いです。イタリア料理でトリッパのトマト煮込みで提供されています。
下処理が手間だったり好む人が少ないため取り扱っているお店は少ないです。
【牛ホルモン ハチノス】とはどこの部位?イタリア料理トリッパ
センマイ(第三胃)
4つの胃の3番目で癖の強い部位です。
千枚のひだがあるような形をしているのでセンマイと呼ばれています。
脂肪が少なく特有の歯触りをしています。
見た目で受け付けない人もいますが、鮮度の良いもので丁寧に下処理したものを生食用で生センとして提供するお店もあります。酢味噌で食べることが多いです。
臭みが強いため下処理に手間がかかりますが、人気のお店は下処理を丁寧に行っているので密かにお店選びのポイントの一つになります。
焼いたり鍋に入れたりして食べます。鮮度が良く下処理を丁寧にしていれば生(刺身)で食べられます。
【牛ホルモン センマイ】見た目で判断するな!きっと癖になる
ギアラ(第四胃、赤センマイ)
4つの胃の4番目で通が好む部位です。
他の胃に比べて表面が滑らかで薄く大きなひだがあるのが特徴。見た目が赤いため赤センマイとも呼ばれています。
焼肉はもちろんですが煮込み料理にも向いています。
脂はホルモンの中で比較的多く濃厚な味が楽しめます。
ホルモン好きの方が好む部位です。
ハラミ(横隔膜)
見た目はお肉に似ていますが牛の横隔膜です。横隔膜でも牛の背中側(上部)の方をハラミと言います。
脂身が少なく柔らかいため焼肉屋でも男女問わずかなり人気が高い部位です。
アウトサイドスカートという名で輸入のものも多く飲食店ではよく使われています。
黒毛和牛のハラミの価格はホルモンの中で1、2を争うほど高値になっています。
最近では人気が高いため、需要と供給のバランスが合わず品切れの焼肉店も多いのではないでしょうか。
焼いて食べることが多いですがシチューやカレーなどにも向いています。
鮮度にこだわるお店ではサシミで提供するところもありますが、ミディアムレアくらいに焼いて食べるのがおすすめです。
焼肉で人気【ハラミ】とは?特徴とおすすめ理由を徹底解説!
サガリ(横隔膜)
見た目はハラミとほぼ同じです。肋骨側(下側)でハラミより下についている横隔膜でサガリと言います。
ハラミよりも厚みがありあっさりしているのが特徴です。ただしハラミと見た目が似ているので区別せず提供するお店も多いです。
ハラミ同様お肉の旨味が強く人気が高いです。上質なものではサシが入りほど良い脂が入り旨味も増します。
小腸(コテッチャン、ヒモ、ホソ)
ホルモンの中で呼び方が最も多いのが小腸です。
お店によってそれぞれ違いますがコテッチャンがよく使われています。人気のある部位です。
丸腸も小腸と同じ部位です。加工方法に違いがあり、腸をひっくり返してそのまま切ったものが丸腸(皮と脂があって皮が外、脂が中)。切り裂いて切ったものが小腸(皮と脂に分かれている)と呼ばれています。
長いひも状のためヒモ、細長いのでホソなど地域やお店によっていろいろな呼び方があります。
脂に甘みがあり焼いて食べたり、最近ではもつ鍋のメインで使われることも多いです。
一頭から取れる量が多いためホルモンの中では比較的安価で売られています。
小腸のことをホルモンと呼ぶ人が多く、お店でもホルモン焼きやもつ鍋のホルモンのようにメニューに載せているところも多いです。
小腸(丸腸)だけを購入したい場合はこちらでご紹介しています。
ホルモンの脂の多い部位って何だった?ぷりぷりのホルモンを解説
大腸(テッチャン、シマチョウ)
小腸に続く部位。小腸よりも脂が少なく厚みがあり硬いです。
見た目が縞模様をしているのでシマチョウと呼ばれたり、朝鮮語で大腸をテチャンと呼ぶことからテッチャンと呼ばれています。
小腸と同じく焼いて食べたりもつ鍋でも人気があります。
大腸は臭いや汚れが多いため販売・提供するまでの下処理が大事です。
大腸の美味しいお店は鮮度や処理が丁寧とされており、密かにお店選びのポイントの一つになっています。
牛ホルモン【シマチョウ】とは?テッチャンと大腸との関係は?
タン
牛の舌で最近はかなり人気の高い部位。国産のものだけでは足りず米国産、豪州産のものも多く輸入しています。
一頭で2kg弱ほどしか取れないため国産のタンは希少価値が上がっています。
タンの中でもタン元・タン中・タン先・タン下などに分けて提供するお店もあります。硬さなどが違うためそれぞれカットの方法を変えて販売することも多いです。
タン元は最も柔らかいので厚切りで焼いて、タン中は普通にスライスして焼いて、タン先は固いのでシチューなどの煮込みに、タン下も硬いので薄くスライスして焼いて食べることが多いです。
黒毛和牛のタンはほど良く脂がのってなおかつあっさりしているので、年齢や男女問わず好きな方が多くなっています。
価格はホルモンの中で一番高値が付いています。
【牛タン】一人前と特徴を解説!仙台牛タンの隠された秘密とは!?
ホホニク(ツラミ、カシラ)
頬の部位です。
良く動かすところで筋が多く加工品に使われることが多いですが、味は濃く調理法によって美味しく食べられる部位です。
大きくカットしたものを赤ワインなどで煮込んだり、ビーフシチューやカレーにも向いています。
薄くスライスしたものを焼いて食べることも出来ますが、かなり薄く切るか隠し包丁を入れて筋を切ると美味しく食べられます。
希少価値が高いため取り扱うお店は少ないです。
【牛ほほ肉】の特徴と調理法を伝授!まさか煮込んでいませんか?
テール
しっぽにあたる部位です。よく動かしているので筋肉がしっかりしていてお肉の味が濃厚なのが特徴です。
濃厚なダシをとってテールスープとして使われることが多いです。
コラーゲンが多く薄くカットしたものを焼いて食べても美味しいです。ただし焼肉用としては加工が手間なため、関節ごとに大きく切ったものが販売されていることが多いです。
【牛テール】スープ&煮込みに最適!でも実は焼肉が一番!?
ハツモト(タケノコ、コリコリ)
心臓とつながる大動脈。太い血管部分で見た目が筍に似ているためタケノコ、触感が固くこりこりしているためコリコリと呼ばれています。
提供するお店も少しずつ増えてきているので知っている人もだんだん増えてきています。
脂が苦手な方やミノなどの硬めのものが好みの方におすすめです。
味や癖はほとんどなく触感重視のホルモンです。
焼肉屋以外でなかなか出会えない部位ですが、通の方に単品購入もおすすめです。
フワ(バサ、肺)
肺の部位でふわふわしていることからフワとも呼ばれています。他にもバサやフクなど呼び方は多いです。
見た目は赤みがかっていて想像よりも軽いのが印象です。
串焼きや天ぷら、煮込み料理に使われます。
地域によって違いますが、スーパーなどどこにでも売っているところもあれば、全く見たことも食べたこともない地域もあると思います。
触感や味に癖があるため好みは分かれますが、安価で販売されているため一部の人に好まれています。
コブクロ(子宮)
牛の子宮で雌にしかないので希少価値が高いです。
触感はコリコリしていて串焼きや煮込み料理に使われます。
若い雌牛のものがより美味しいと言われており脂が少なく低カロリーで高たんぱく質です。
提供・販売しているところは少ないです。
テッポウ(直腸)
腸の末端にある消化管で開いた見た目の状態が鉄砲に似ていることからテッポウと呼ばれています。
大腸よりも脂が少なく厚みがあり硬いです。濃厚な味があるのが特徴ですが臭いに癖があるので下処理はしっかり行います。
焼いて食べたり煮込み料理に使われます。
ノドスジ(食道)
食道にあたる部位でショクドウ、スキミなどで提供されています。
繊維質なのでコリコリした触感で、癖はあまりなく味は赤身肉のようです。
焼いて食べたり煮込み料理に使います。
アキレス(アキレス腱)
アキレス腱の部位。硬いですが長時間煮込むことでゼラチン状にとろとろになります。
おでんなどに使われます。牛筋に比べて硬いですが煮崩れしにくいので調理しやすいです。
安価で販売されていますが小分けよりもまとめて業務用として販売されることが多いです。
おでんが作られる冬場に需要が多いです。
牛ホルモンの購入方法
当然焼肉屋やホルモン焼き、居酒屋などに行けば牛ホルモンを食べることが出来るお店も多いです。地域によって取り扱っている種類や量が異なります。
でもホルモンを購入して自宅で食べたいときもあると思います。
自分が好きなものだけ購入して、焼いたりお鍋に入れたりオリジナルの料理にするのも良いです。そのホルモンの購入方法うぃご紹介します。
精肉専門店で購入
牛ホルモンを取り扱う精肉専門店をチェック。
種類が豊富なお店は珍しいです。取り扱いが難しいホルモンを生で扱っているお店は鮮度に自信のある証拠で特におすすめです。
冷凍品として取り扱うお店も、ホルモンの種類が豊富であれば安価で購入できる可能性が高いためおすすめです。
大型スーパーで購入
お住まいの近くの大型スーパーをチェック。
最近増えている大型スーパーで、精肉コーナーが充実しているところを見て下さい。
ホルモンの種類こそ少ないかもしれませんが、よく売れる商品を取り扱っている可能性が高いため、小腸や大腸など主力商品は購入しやすいです。
他の食材なども揃えられるので、まずはチェックしてみて下さい。
商品が国産のものか外国産のものはラベルを見てチェックして下さい。
インターネット通販で購入
お住いの近くにホルモンを取り扱う専門店やスーパーが無い場合、インターネット通販が便利です。
ただし商品の詳細をしっかり確認し、適正価格なのかを見極める必要があります。ホルモンを専門に扱う通販サイトは、種類も充実していて比較的価格も安価でおすすめです。
ただし、送料が別にかかる場合は送料込みの価格で検討してください。
自分好みのホルモンを見つけたい方や、今までと違ったホルモンを試してみたい方におすすめのホルモンミックスはこちらでご紹介しています。
牛ホルモンミックスおすすめ部位と下処理方法!通販商品紹介
まとめ
以上で牛のホルモンに関して解説しました。
細かく見ると他にもまだありますがこれだけ知っていれば十分ホルモン通です。
興味を持たれたもので食べたことがないものがあれば是非一度チャレンジしてみてください。
焼肉やもつ鍋など外食のときも自宅で食べるときも、選択肢が広がり楽しみが増えれば幸いです。
感謝を忘れず楽しい食生活になれば最高です。
【お肉なび】では更なるお肉の魅力や知識を発信していきます。
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コメントありがとうございます。
参考にしていただき感謝致します。日々、お肉に関するコンテンツを作っています。
お肉に興味のある方のお役に立てれば幸いです。
【お肉なび】