【牛すね肉】特徴と調理法を牛肉のプロが伝授!赤ワイン煮込みレシピ付!
ビーフシチューやカレーなどの煮込み料理に活躍する牛すね肉。
筋が多く肉質も硬いため見た目は柔らかいイメージからほど遠いです。
ただじっくり煮込むことでコラーゲンたっぷりの柔らかいお肉に変化します。
一度覚えれば献立の救世主になる牛すね肉の特徴や調理法などを精肉のプロが徹底解析いたします。
この記事の目次
牛すね肉の特徴
繊維質の入り組んだ筋の多い部分。
牛肉の部位の中でも筋が最も多くかなり硬いです。
ただ調理の仕方によって柔らかくコラーゲンが豊富なお肉になります。
シチューやカレーなどの煮込み料理に使われることが多いです。
牛すね肉ってどこの部位?
その名の通り牛のすねの部位です。
牛のすねは前足を前スネ、後ろ足をトモスネと言います。
前スネの中でも繊維が入り組んだ筋膜の部分を力こぶと呼び、希少部位として扱われています。スジが入っているため見た目は硬そうに見えますが、牛肉が上質であればあるほど柔らかく濃厚な味です。
トモスネの中で外モモからつながっているかなりスジの多い部分を千本筋(センボンスジ)と言います。その名の通り千本の筋があるというところから名前が付けられています。
業界ではスネ肉を別名チマキと呼ばれ取引されています。
薄くカットしたものを提供している焼肉屋さんもあります。
力こぶと千本筋は取れる量が非常に少ないため提供しているお店は少ないですが、あっさりしていて濃厚な味があるため密かに好む方が多いです。
牛すね肉はどこで買える?
精肉専門店やスーパーで購入できます。
お店によって加工や提供の仕方が異なるため事前に確認する必要はあります。
ロースやバラなどのお肉よりも比較的安価で手に入りますが、国産牛か輸入牛かはしっかりチェックしてください。
輸入牛より国産牛、国産牛より交雑種、交雑種より黒毛和牛の方がスジが柔らかく煮込む時間も短くなります。
ブロックで販売していたりカレー・シチュー用に加工して売られていますので、もし牛スネ肉の表示が無くわからない場合はお店の方にお尋ねください。
販売する側からのアドバイス。
上質な牛の一頭買いをしているお店は比較的良いスネ肉に出会えるチャンスかもしれません。一頭買いをすることで必ず牛すね肉がついてきます。
お店や季節によって違いますが余りやすい部位のため価格設定は安めになりやすいです。
上手に商品化しているお店もあるので一概に安いとは限りませんが。
専門店でお肉の質が良いお店に是非行ってみて下さい。
牛すね肉の用途
店頭で販売しているときに、
「スネ肉はどんな風に調理するんですか?」
と聞かれることが非常に多いです。
まだまだ知られていないことが多い部位だと実感しています。
一般のご家庭ではビーフシチューやカレーなどの煮込み料理にすることが多いです。
他にはミンチ材にしてハンバーグやミンチカツ(メンチカツ)にすることも多くお肉にこだわった洋食屋さんなどでもよく使われています。
上質な牛すね肉に限られますが、薄くカットして焼肉用でも想像より柔らかい食感で食べられます。
スープやおでんに入れても良い出汁が出て美味しいです。
牛すね肉の下処理(焼く)
牛すね肉に関わらずお肉を煮込むとき、表面を焼いてから煮込むと良いと言われています。それはなぜかと言うと、お肉の旨味が流れ出てしまうのを防ぎ煮崩れしにくいためです。
表面全体を焦げないように焼きますが、煮込んでいくため中まで火を通さなくても問題ないです。
お肉の味付けは焼く直前に塩コショウします。塩コショウしてから放っておくとお肉の旨味が外に出てお肉が硬くなってしまうのであくまでも焼く直前に。
焼く工程は必ず必要というわけではないですが、行ったほうがお肉をより美味しく食べられるので是非どうぞ。
牛すね肉の下処理(煮込み)
牛すね肉を多めに購入しいろいろなお料理に使用する場合の下処理です。
お鍋にかぶるくらいの水を入れ牛すね肉、酒、青ネギ(または香味野菜)、あればしょうがを入れます。強火で煮込んでいき灰汁(アク)が出てきたら取り除きます。
香味野菜はお肉の臭みを取るために入れるのでご自宅にあるものを使ってください。ローリエやハーブなども香りづけに良いです。
灰汁が出なくなるまで数回繰り返します。
お肉の鮮度が良いと灰汁も出にくく手間も減るのでおすすめです。
灰汁抜きの作業がお肉や出汁に影響するのでポイントです。多少面倒ですが仕上がりが美味しくなるので気になる方はしっかり灰汁を抜きましょう。
灰汁抜きがおわったらじっくり煮込んでいきます。
圧力鍋があれば一度沸騰させたあとは弱火にして約30分加圧します。
そのあと圧力が抜けるまで待ちお肉を一食分ずつ小分けにして冷凍保存します。
圧力鍋がない場合は、厚手の鍋を使い一度沸騰させたあと弱火で1時間半から2時間程度煮込みます。同じように一食分ずつ小分けにして冷凍保存します。
煮汁は網でこしてカレーやスープ、ポトフなどに使えるので同じく小分けに保存しておくと良いです。
お肉の特売品や値引きなどの消費期限ぎりぎりのものは安くて手を出しそうですが、保存しても鮮度はもどりませんし灰汁も出やすいのでなるべく避けたいです。
牛すね肉のトロトロビーフシチュー(レシピ)
自宅で簡単ビーフシチューを作りました。好みは皆さん違いますのであくまでも一例です。ご参考まで。牛すね肉はA5ランクのものを使用しました。
ロースなどのお肉に比べるとかなり安いです。圧力鍋を使用しています。4人前。
1.牛すね肉を一口大より少し大きめにカット、野菜も同じくカットしておきます
牛すね肉は約600g使用しました
2.牛すね肉に塩こしょうをし、お鍋にバターを引いて表面を焼いていきます
オリーブオイルでも良いですが今回はバターを使用
3.一度お肉を取り出しそのまま玉ねぎ、にんじん、にんにくを炒めてもう一度お肉をいれます
4.お鍋に赤ワイン200ccをいれて一度沸騰させて、灰汁を取ります
必要ならお水を足しても良いですが、今回はトマト缶を使用するため水分が出ることを考え赤ワインだけで煮込んでいきます
牛すね肉を沈めて灰汁を取りますが今回はほとんど灰汁は出ませんでした
5.トマト缶を入れて蓋をして加圧し弱火で約20分加熱します
6.圧力が下がっているのを確認し蓋を開けます
7.煮込んでいる間にブラウンルーを作っておきます
バター20gと強力粉大さじ2を電子レンジで1分温め混ぜてまた1分温め混ぜ茶色になるまで数回繰り返します
(ブラウンルーはお鍋で作っても良いですが今回は手軽に電子レンジで作りました)
8.ブラウンルーと調味料、キノコを入れて約30分ほど煮込みます
調味料: ウスターソース大さじ3、ケチャップ大さじ3、水大さじ3、砂糖大さじ1、ドミグラスソース大さじ3、塩コショウ適量
9.お皿に盛って茹でたブロッコリーを添えれば完成
赤ワインを使った本格的なビーフシチューが出来上がりました。すね肉もトロトロで柔らかく旨味も詰まって美味しく出来てます。お試しください。
調理時間約90分
上質な黒毛和牛のお肉を購入したい方へ。
ビーフシチュー用のお肉はこちらからをご参考にしてください。
【ビーフシチュー肉】通販おすすめ商品を肉のプロが厳選!
まとめ
牛すね肉の特徴から調理法、レシピまでご紹介しました。
何度もお伝えしますが、牛肉のロースやバラなどに比べて牛すね肉はかなり安価で購入できます。
調理に多少の手間はかかりますが、手間をかけた分美味しい料理になりますのでお子さんがいるご家庭でも喜ばれるのではないでしょうか。
牛すね肉が日々の献立の救世主になれば幸いです。
【お肉なび】では牛肉の更なる魅力をお伝えしていきます。
上質な黒毛和牛の牛すね肉はこちらでご紹介しています。
リーズナブルでビーフシチューなどの煮込みに最適な商品を厳選していますので、ご興味あれば覗いて見て下さい。
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