【牛肉の霜降り】本当に美味しいのか?最強霜降り部位6選!
牛肉の霜降りと聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?
高級なお肉
見た目が白く脂が多いお肉
胃もたれしそうであまり食べられないお肉
日本人の健康志向や高齢化が進むにつれて霜降りの牛肉が避けられつつある現実と、食肉業界の霜降り肉を目指す風潮に若干ズレが生じている状況です。
手間ひまかけて育てた霜降りの牛肉の魅力は本当になくなってきているのか?
真っ赤な輸入の牛肉の方が本当に美味しいのか?
そんな時代の流れと牛肉の霜降りの真髄に迫ります。
赤身肉に興味のある方はこちらをご覧ください。
牛肉で健康的に!美肌効果も!ダイエットまで!?赤身肉の魅力に迫ります!
この記事の目次
牛肉の霜降りとは?
以前は商品の宣伝や売りにするためによく使われていた霜降りという言葉。
霜降りとは赤身のお肉の中に網の目状に入った脂肪のことを表し、サシとも呼ばれています。
食用の牛肉の種類はたくさんありますが、霜降りになっている牛肉は黒毛和牛だけです。
今ではその霜降りの黒毛和牛は世界に認められてきています。日本の文化であり日本の技術です。
食肉業界では牛肉の評価の基準に霜降りが大きく関係してきます。
脱霜降り?
しかし最近日本では健康面を気にすることや脂身に対する苦手意識から赤身志向に変わりつつあり、聞くだけで敬遠する方もいるので徐々に宣伝文句としては使われなくなってきています。
脱霜降りを宣言するお店や輸入牛を表示し赤身肉を売りにするお店も増えてきているのが現状です。
米国産(アメリカ産)や豪州産(オーストラリア産)などの表示を見ることも多いかと思います。
牛肉の評価基準
牛肉の良し悪しを決める基準には歩留り等級(A、B、C)と肉質等級(5、4,3,2,1)があります。
歩留り等級とは食肉として取れるお肉の量を表す指標のことです。
牛自体が大きくても脂の量が多くお肉の量が少なければ評価は低かったり、小さくてもお肉の量が多ければ評価は高いです。
評価基準 A 高い(お肉が多い)> B 普通 > C 低い(お肉が少ない)
肉質等級とは脂肪交雑(霜降りの度合い)、肉の色沢(色艶や光沢)、肉のしまりとキメ(細かいほど良い)、脂肪の色沢と質(粘りや艶、光沢など)の4項目の総合評価で表す指標のことです。
4項目の一つだけ良くても評価は高くなりません。全体のバランスが大切です。
脂肪交雑の度合いを表す牛脂肪交雑基準のことをB.M.S(ビーフ・マーブリンク・スタンダード)と言います。
細かく綺麗に霜降りになっていることで高い基準(No.1~12で表しNo.12が最も高い)になり、A4やA5ランクなどを決める指標に大きくかかわってきます。
全体のバランスが良ければ5段階中の5の評価になり、キメが細かく綺麗な霜降りで肉質・脂質が良いとされます。
評価基準 5 > 4 > 3 > 2 > 1
評価の結論としては歩留り等級と肉質等級を合わせて、
A5が一番良くC1が一番悪いということになります。
ただしあくまでも見た目の評価なので味が美味しいとは別の話です。ご注意ください。
牛肉の霜降りの価格が高い理由
お肉を販売しているときにお客様からの質問で、
「霜降りで安いお肉はないの?」
と聞かれることがあります。
部位や程度によって異なりますが正直に、
「ないです」
と答えることがほとんどです。
それぞれ人によって価値観が違うため一概にその人の高い安いを決めるつもりはないですが、やはり一頭の牛の霜降りの部位は高値がつきます。
黒毛和牛 販売小売り価格で100g 500円以下ではかなり難しいのではないでしょうか。
安くても100g 700円以上にはなってくるため、高級食材として扱われることが多いです。
先ほど説明した等級でもA5ランクに格付けされた牛が一番高い値がつきます。
A5ランク、A4ランクの牛肉(特にロース)に綺麗な霜降りが入る場合が多いですが、畜産農家さんも同じ餌を与えて同じ期間飼育するなら高値がつくA5を目指すのが当然の流れです。
牛の評価基準が変わらない限り、霜降り牛肉の価格は高いと言えます。
例外として販売店が工夫をし、赤身肉を高く霜降り肉を安く調整しているお店を除いては。
牛肉の霜降りが柔らかい理由
サシの入ったお肉を焼肉屋やホテル、ご自宅で食べたことのある方は経験があるかもしれません。
しゃぶしゃぶで口の中に入れたときに溶けるような食感
すき焼きで噛んだときに簡単に噛み切れる柔らかさ
ステーキでナイフを入れたときに力を入れずに切れる感覚
焼肉で厚みのあるお肉を一口で口に入れてもすぐになくなってしまう感動
これらすべてにお肉のキメの細かさが大きく関わってきます。
キメが細かくて赤身の肉の中に網の目状に脂肪が入っている状態で熱が加わると、脂肪が溶けて旨味とコクを出し柔らかくなるということです。
なので見た目が真っ赤なお肉と比べて霜降りのお肉は柔らかく感じるということです。
霜降りの牛になるには
どんな牛でも育て方や餌などで霜降りのお肉になるというものではないです。
まず大切なのは牛の血統です。
神戸ビーフや松阪牛など有名なブランド牛を聞いたり食べたことがあるかもしれませんが、元をたどれば但馬牛の血統から始まっています。
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但馬牛の血統が日本の上質な霜降りを作る原点で、そこからそれぞれの畜産農家さんの研究と努力で独自の上質な霜降りを作っています。
牛の肥育に欠かせないのが餌の配合や水分管理、食欲や体調管理、温度管理やにおい対策、牛舎の清掃や敷料の交換、病気やケガなどへの配慮など。性格や習性を理解するのも大切。
一年間で一日も欠かせないことを約2年半(月齢約30か月前後)行います。
その約2年半の毎日の努力が上質な霜降りを作り出します。必ずしも霜降りを作っているとは限りませんが評価基準の高い牛を目指して育てている畜産農家さんが多いです。その日々の努力の結果、きれいな霜降りのお肉が完成します。
目指すゴールのお肉を想定しながら繊細な生き物を管理し作り出す霜降りは、世界に誇れる日本の技術といっても良いでしょう。
霜降り肉は不健康で不自然なもの?
メディアやいろいろな情報で霜降りはビタミンAを欠乏させた不健康な飼育方法で作り出されたものと出ていました。
正直驚きましたが自分の中でも考えました。本当にそうなのか、畜産農家さんが言っているから間違いないのか。
それならこれだけ情報が簡単に手に入る世の中で世界に霜降りのお肉がほとんど出回っていないのはなぜなのか。食べないから作っていないとも考えましたが、世界で黒毛和牛が注目を集めていることで現段階では作れないと確信しました。
やはり但馬牛の血統が持って生まれた能力といって良いでしょう。
霜降りのお肉は美味しい?美味しくない?
同じ牛でも部位によって脂の量に差はあります。
ロースやバラなどに比べてヒレやモモは赤身のお肉です。
霜降りのお肉は胃もたれして食べれないと言う方が増えています。
霜降りを見ただけで脂が多いから赤身のお肉の方が良いと言う方も増えています。
確かに霜降りになりやすいロースやバラはヒレやモモなどの赤身に比べて高カロリーです。
質より量を求める方には合わないのでおすすめ出来ませんが、お肉の甘みを感じて柔らかい上質なお肉を求める方に少量でもおすすめします。
お肉の甘みは上質な脂身にあります。
プロが厳選してお肉を選ぶときも、霜降りを見た目で判断し脂の質を見極めて仕入れます。
食べ方や量の調整でもっと霜降りのお肉に対する意識が変わるはずです。
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牛肉の最強霜降り部位6選
サーロイン
リブロース
ハネシタ(肩ロース)
三角バラ(特上カルビ)
ヒウチ(トモサンカク)
イチボ(モモ)
まとめ
霜降りは上質なお肉の証です。
世界に誇れる日本の伝統を受け継いでいくために、これからも最高のお肉を最高の状態で提供していきます。
牛肉の霜降りをイメージだけで避けている方が一人でもその美味しさに気づいて頂けたら幸いです。
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