【焼肉の希少部位】とは?名称と特徴&おすすめ部位13選!

メディアやお店の宣伝文句でよく使われるようになった牛肉の希少部位。
牛肉も骨や皮以外に捨てるところがないほどお肉として販売・提供されています。
牛を部位ごとに分けたときに、より珍しくなかなか見ることの無い焼肉用の希少部位をご紹介します。
いつも行く焼肉屋さんで当たり前のように食べているものが、実はかなりレアな部位かも!?
希少価値の高いお肉を知っていれば焼肉屋に行く楽しみが増えるかもしれません。これであなたはお肉博士!?
この記事の目次
牛肉の希少部位とは?

牛肉の希少部位になる基準は特に決まっていません。
お店や卸業者によって希少部位の扱いが全く違います。
牛一頭で食肉として扱われるのが約400kg前後です。
その中で約2kg(0.5%)以下なら十分希少価値が高いと言え希少部位と呼ぶことが出来ます。
職人の技術で上手に商品にする部位もあり、本当に数十グラムしか取れないものもあります。
ただし一概に希少価値が高いから商品価値が高い訳ではないということをご理解ください。地域によっても商品価値が異なります。
驚くことに希少部位を商品として扱わずミンチ(ひき肉)にしてしまったり、脂の多い部位はほとんど捨ててしまうものもあります。
また人それぞれ好みが違うため希少部位だから美味しいということでもないです。
あくまでも一頭の牛を商品化するときに、少量しか取れないものを希少部位とします。その点をご理解ください。
希少部位 ≠ 高価
希少部位 ≠ 美味しい
焼肉の希少部位おすすめ13選!名称と特徴を解説!
希少部位をすべてお伝えするとかなりの数(約200種類以上)になるので、
焼肉用で美味しくて珍しい部位を厳選してご紹介します。
カイノミ

お腹回り(バラ)の一部で、貝の身の形に似ているのでカイノミと呼ばれています。
赤身と霜降りのバランスが非常によく、あっさりして柔らかいので密かに人気の部位です。
ヒレ(ヘレ)に似た部位で、一頭から約3kgほどしか取れません。
主に焼肉用に使用しますが、稀に厚みのある真ん中部分をステーキカットする場合もありますがかなりレアです。
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ミスジ

ミスジは一度は聞いたことがあるかもしれません。ウデ(肩)の一部。
知名度も上がりメニューに取り入れているお店も増えています。
ウデは全体的に赤身でよく動かす部位のため少し硬めです。
ただミスジはウデの中でも運動量が少なくサシ(霜降り)の入りやすい部位で、非常に柔らかい部分です。
牛一頭(約400kg)から約2kgほどしか取れず、ミスジを取るためにはウデ全体をバラバラに分割する必要があるため高値で販売・提供されています。
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フランク(ササニク、ササミなど)

カイノミと近いお腹周り(バラ)の一部で、フランクは見た目が笹の葉に似ていることからササニクやササミなどとも呼ばれています。
主に焼肉用にカットされ、上カルビやフランクで提供されています。
バラの中でも赤身で柔らかく、スジが少なく癖のない部位です。
一頭から約2kg弱しか取れず、バラの中で人気の高い部位です。
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ヒウチ(トモサンカク)
ヒウチはモモ肉の中で最もサシ(霜降り)の入りやすい部位。
別名トモサンカクとも呼ばれています。
ロースのような見た目でとろけるような味わいです。
焼肉・ステーキ・すき焼き・しゃぶしゃぶなど何にでも合う万能タイプ。
一頭から約2kg弱しか取れず、お肉のプロはヒウチをいろいろな料理に使用することを好みます。
薄くスライスしたものを焼肉の網であぶるようにサッと焼いて、お好みでポン酢でなどで食べると溶けるような味わいで絶品です。
コウネ
肩バラ(ブリスケ)から脇にかけての部位。
炎の肉のような見た目のイメージからコウネと呼ばれています。
肉質は硬めで薄くスライスしたものを焼肉で食べることが多いです。
コラーゲンが豊富で濃厚な味わい、噛めば噛むほど旨味が出るのが特徴です。
ただし広島県の隠れ絶品グルメになっているため、広島県以外で提供されているのを見たことがありません。
一頭から約2~3kgほどです。
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シャトーブリアン

名前は有名なシャトーブリアン。
ヒレ(ヘレ)の中でも厚みのある真ん中部分のことをシャトーブリアンと呼びます。
牛肉の中で最高級品で赤身で柔らかいお肉の代表と言えるでしょう。主にステーキ用などに使われることが多いです。
運動量が最も少ない部位のため、厚みがあってもスジが少なく簡単に噛み切れます。
焼肉用にはサイコロにして焼くのがおすすめです。
一頭で約1.5~2kg弱しか取れず、高価格のためなかなか手が出ませんが一度は試してほしい最高級品です。
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ムカデ

横隔膜(ハラミ)と外バラの間にある部位。
肩バラ(ブリスケ)の外側に付いていて、カルビで提供されたり小間切れなどに混ぜられることが多いです。
名前の通りムカデの形に似ていることからそう呼ばれています。
脂の多い部位ですが、ムカデとして提供する場合は脂を落として薄くカットして出されることが多いです。
牛一頭から約1kgほどしか取れません。
ネクタイ

牛の腰からおしりにかけてのランプという部位に付いている部位。
ランプから取り外した形がネクタイに似ていることから呼ばれています。
形が悪く商品化されることがほとんど無いため、ミンチ材や切り落としなどにすることがほとんどです。
ただ密かにお肉のプロたちがこの部位が一番美味しいと唸るほどの部位です。
牛一頭からわずか約500gほどしか取れない非常に希少な部位です。
見かけたら取り合えず頼んでみても損はないです。
センボンスジ
牛の外モモから後ろ足のすねにかけての一部。
見た目が千本のスジが入っている様に見えることからセンボンスジと呼ばれています。
じっくり煮込むことでコラーゲンに変わり柔らかくなります。
上質な黒毛和牛のものに限りますが、薄くカットしたものを焼いて食べると、見た目以上に柔らかくあっさりして濃厚な味が癖になります。
こだわりのある焼肉屋で稀に見かけます。脂身が苦手な方やあっさりしたお肉が好きな方におすすめです。
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アブシン(心臓)

心臓(ハツ)の一部。
脂付きの心臓部分をアブシンと呼びます。
心臓は新鮮なものは刺身として提供するお店もあります。
その新鮮な心臓にあえて新鮮な脂を付けて食べます。しつこさの無い脂と歯ごたえのあるあっさりした身が癖になります。
あくまでも新鮮なものに限ります。牛一頭で約500g弱しか取れない希少部位です。
タン元

牛タンの根元の部分。
とても柔らかくあっさりして上品な味わい。
黒毛和牛のタンは人気が出てきていることもあり、かなり希少価値が高いです。
牛タンは牛一頭で約1~1.5kgほどで、タン元はそのうちのわずか300gほどです。
国産牛(乳用牛)や外国産のものはお店でも見かけますが、黒毛和牛のタン元は滅多に見ることが出来ません。
出会ったら是非迷わず注文してください。
忘れられない衝撃が走る絶品です。
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ツラミ(ほほ肉)
牛の顔の頬っぺたの部分。
よく動かす部位のためスジが多く肉質は硬いです。
煮込み料理に使われることが多いですが、薄くカットしたものを焼肉で食べることも出来ます。
ただし焼肉で食べる場合は上質な黒毛和牛のものをおすすめします。
濃厚な独特の味で噛めば噛むほど旨味が出る部位で、ほど良い噛み応えが癖になります。
牛一頭で約1kgほどしか取れない希少な部位で内臓に分類されます。
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テール

牛のしっぽでテールスープ用に使われることが多いです。
実は薄くカットしたものを焼肉で食べると、癖になる他では味わえない濃厚な味わいです。
カットするのに普通の包丁では切れず、電動のこぎりを使用するため焼肉用での提供は珍しいです。
一頭から約1~1.5kgほどです。
まとめ
以上、焼肉用の希少部位おすすめ13選をご紹介しました。
希少部位も他にたくさんありますが、これを押さえておくことでかなり焼肉通です。
ロースやカルビ、モモなどの定番商品に加え希少部位を知ることで焼肉の楽しみ方が大きく広がります。
小さな焼肉屋にも希少部位が潜んでいるかもしれません。
新しい発見と楽しみの一つにして頂ければ幸いです。これであなたもお肉博士です。
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