【牛肉を柔らかくする方法】味を損なわず美味しく食べる方法を伝授
皆さんはお肉を購入して料理し、いざ食べると硬くて残念な思いをされたことはないでしょうか?
「安いお肉なら値段を考えると仕方がない」
「高いお肉を買ったのに硬かった」
などの声もよく耳にします。
せっかくのお肉も食べたあとに悪いイメージが残るのは勿体無いです。
「柔らかくて美味しかった」
その言葉のために牛肉を柔らかくする方法を伝授します。
ただし、安い輸入肉と高い黒毛和牛とでは柔らかくする方法が異なることをご理解下さい。
この記事の目次
牛肉を柔らかくする4つのポイント
結論から言うと、牛肉を柔らかくするポイントは大きく分けて4つあります。
牛肉の種類、部位、用途によって柔らかくする方法が違うので、それぞれに合う方法を行う必要があります。
4つのポイント
- 牛肉のたんぱく質を分解して柔らかくする
- 牛肉の筋繊維を壊して柔らかくする
- 牛肉の筋繊維を切って柔らかくする
- 牛肉の筋繊維を煮込んで柔らかくする
どれが正解ということはなく牛肉によって変わってきます。
ある意味では結果的にお肉が柔らかくなればどれも正解です。
牛肉が硬くなる原因
食べたときに感じる牛肉の硬さ。
硬く感じるのには原因があります。
牛肉が硬い原因
- 買ったときから硬い
- 温度管理ができていなくて硬くなっている
- 調理前に硬くしてしまっている
- 料理中に硬くなっている
- 硬くなる食べ方をしている
それぞれに原因があり、それぞれに解決策があります。まずは原因からご説明します。
牛肉の部位によって硬さが違う
牛肉は部位によって硬さが違います。
牛の運動量の多い部位は、肉質が荒くスジが入っているため硬いです。
反対に運動量の少ない部位は、キメが細かく柔らかいです。
硬い部位 :肩(ウデ)、首(ネック)、一部のモモ肉、スネなど
柔らかい部位:サーロイン、ヒレ、一部のモモなど
温度管理ができていない
お肉を買ってから冷蔵庫に入れるまでに時間が経ち、お肉の表面温度が上がり水分が流れ出てしまっていることもよくあります。
冷蔵庫の保管場所もポイントです。冷蔵庫のチルドやパーシャルなどよく冷えるところに牛肉を保管することでドリップ(赤い汁)が出るのを抑えられます。
牛肉の味付けするタイミング
牛肉は水分を多く含み、その水分を外に逃がしてしまうとパサパサになって硬くなります。
調理前に味付けをするタイミング次第でお肉の硬さが変わります。
特に塩こしょうはお肉にかけてから時間が経つと、中の水分が外に流れ出てしまうので注意。
塩こしょうはお肉を焼く直前、または調理中にかけてください。
牛肉のスジ切りが必要
厚みや牛肉の種類によっても異なります。
ステーキ用や焼肉用のように厚みがあってスジのある部位は、事前にそのスジを細かく切っておく必要があります。
スジの少ない部位や、上質な黒毛和牛の柔らかい部位ならスジ切りは不要です。
牛肉の焼きすぎ
赤身肉は焼き過ぎるとお肉の水分が減り、身が締まって硬くなりやすいです。
解凍品などはじっくり火を通す必要がありますが、新鮮で上質なお肉は表面をしっかり焼けば中が多少赤くても問題ないです。
霜降りの牛肉は繊維の間に網の目状に脂肪が入るため、焼いても身が締まらず硬くなりにくいので柔らかいということです。
牛肉の切り方に注意(繊維方向の見極め)
牛肉の繊維方向を見ずに適当に切ると、どんなお肉でも食べたときに硬くなります。
繊維方向に対して垂直にスジを短く断ち切るようにカットすると、食べたときにスジが残らず柔らかく感じます。
【牛肉の切り方】繊維方向を見極めろ!ローストビーフ切り方のコツ
漬け込んで牛肉を柔らかくする方法
牛肉をいろいろな食材や飲み物に漬け込んで柔らかくする方法がよく紹介されています。たくさんある中のいくつかを例にあげていきます。
新鮮で上質な牛肉を漬け込むのは風味や旨味を損なうためおすすめしません。あくまでも輸入牛や特売などで購入したお肉に限ります。
お酒に漬ける
料理酒、日本酒、ビール、ワインなど。
phの低い酸性に漬けると酸によって筋肉組織がほどけ柔らかくなります。
1時間~半日程度。
果物に漬ける
パイナップル、キウイ、梨など。
たんぱく質を分解し繊維を壊して柔らかくする方法。
約1時間程度。あまり長時間漬けすぎると繊維が壊れすぎてしまうので注意。
塩麹に漬ける
塩麹の酵素がたんぱく質を分解し柔らかくなります。
30分~60分程度。
牛乳やヨーグルトに漬ける
牛乳にはお肉の繊維を和らげる効果があります。ヨーグルトも乳酸菌がお肉の繊維を和らげます。
1~2時間程度が目安。臭み取りにも効果有。
玉ねぎに漬ける
すりおろした玉ねぎに漬けると、玉ねぎのプロテアーゼというたんぱく質分解酵素がお肉を柔らかくします。
10分程でも効果があります。
炭酸水に漬ける
炭酸水やコーラに漬けるとたんぱく質分解酵素が活性化し、お肉の組織が分解されます。
30分~60分程度。
その他にもマイタケをすりおろしたものや重曹などいろいろあります。
お肉の風味が損なわれたり、味に変化が起こることをご理解ください。
お肉がボロボロになる恐れがあるので、漬け込み過ぎには注意してください。
道具で牛肉を柔らかくする方法
道具を使って牛肉を柔らかくする方法もよく見かけます。
ミートハンマー(肉たたき)はハンマーの頭にギザギザの凹凸があり、お肉を叩いて繊維を壊し柔らかくする道具です。
他には数本の刃が付いたミートテンダライザーという道具。
お肉に押し当てながら刃でお肉の筋繊維を切るものです。
どちらも2,000円以下で購入可能ですので、漬け込むのに抵抗がある方はお試しください。
包丁で牛肉を柔らかくする方法
個人的に一番おすすめする方法です。
お肉の味を変えず、旨味成分を逃がさない方法。
余分な材料を揃える必要がなく、作業手間もそんなにかからない。
それが包丁で筋繊維を切って柔らかくする方法です。
シンプルですがお肉本来の味を味わえ、お肉の厚みを変えず、噛み切れる柔らかさに変化することで
「柔らかくて美味しかった」
そんな感想が思わず口から出ることを願っています。
まとめ
牛肉を柔らかくする方法をご紹介しました。
いろいろな方法があり、柔らかくなることは間違いないです。
柔らかくなることも大切ですが、お肉の味を損なわないことが一番です。
それを兼ね備えた方法が繊維を切る方法でした。
ご参考になれば幸いです。
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